中井正子日仏ピアノアカデミーでの音楽理論講座
(監修:小鍛冶邦隆、東京藝術大学名誉教授・作曲)
ピアノアカデミーでは、ピアノ学習者が音楽理論の基礎を学ぶことで、ソルフェージュ学習の延長として、読譜や暗譜をより正確に早く行うための学習を取り入れます。
和声の学習は、ヨーロッパの音楽言語の基礎的文法ですし、対位法やフーガの学習は、バッハ以降様々な作品で、より複雑な音楽表現を理解するうえで必須の知識です。
音楽大学や音楽教室での教科書的な授業からは身につかない、これらのエクリチュール(音楽書法)と総称される学習を、小鍛冶邦隆の監修による、パリ国立高等音楽院で学んだ経験豊かな教員(藝大作曲科でエクリチュールを指導する現教員や前教員)の音楽理論(エクリチュール)のクラスを開設いたします。
小人数制(3~4名)の和声クラスで、ピアノ学習者と、(藝大作曲科を志望する)作曲学習者が一緒に学ぶことで、音楽を幅広く学ぶ機会を体験できるはずです。
原則的に2週に一度、90~120分程度のグループ・レッスン(指導は個人)で、和声の基礎から始め、書法(前回に出された課題の実施)の添削、説明、また与えられたバス課題にその場で和声を付けておこなう視奏(通奏低音法)、あるいは様々な作曲家の和声語法の分析等、演奏に直結する学習を行います。
さらに上級クラスでは、伝統的な対位法学習(モーツアルトからドビュッシーまでの作曲家たちは修業時代にこの学習を徹底的に行いました)から、実際に対位法による楽曲であるフーガを実際に書きます。バッハのフーガを学ぶためには、同様の作曲を行うのが一番有効なわけです。
さらに受験クラスでは、藝大作曲科受験を目指す学習者は、自由作曲(与えられた主題、様式による、室内楽作品の作曲)の指導を受けることと、様々な音楽作品の分析をおこなうので、ピアノ学習者も様式的な作曲を通じて、楽譜上の分析とは異なる、実際的な創作のプロセスを実体験することになります。
どこまで学ぶにしろ、エクリチュールの初歩から、作曲に至る系統的な学習により、正確な読譜、正しい様式的解釈、迅速な暗譜、音楽的な演奏へと至るピアノ演奏の重要な部分を学ぶことは、他のピアノ学習者たちとは、明らかに差別化できる評価につながるはずです。
ピアノ指導者のみなさまにおかれては、生徒がこうした指導を受けることで、新たな能力を発揮する可能性、あるいは現在の指導の中で、そうした能力の片鱗を感じていることがあるなら、是非こうした学習の機会を生徒に与えることを考えていただければと思います。
レッスンに関する詳細(場所、日時、費用等)は、追って通知いたします。
©A.SHINDO